季節は冬、12月中旬。



明日くらいには俺の早期入試の結果が分かる。





 




「はぁ・・・・真緒ちゃんとクリスマスデートしてー!!!」


「今年は我慢だな、受験生」


「クソ!!!お前はどーせアメリカの大学受かってんだろ、羨ましいぜ。クリスマスは瀬戸とデートか?!」


「まだ結果分からねーし。つーか、デートとかない」








あいつとクリスマスデートをするのに、・・・・方法がないわけではない。すっかりあいつは忘れてしまっているだろうが、‘一つ’だけあいつは俺に貸しがあるから。



でも、まずは大学に受かってからの話だ。受かってなきゃ、俺にもクリスマスはない。







すると・・・・ひながスキップをしながらこっちにやってきた。ひなは美容学校に受かり、家の美容院の手伝いをしているため最近は毎日学校に来るわけではない。







「ひな、久しぶりだな。お前最近、全然俺らの相手してくれねーじゃん」


「上田ちゃーん、そんなに俺に会いたかったの?かっわいいな~」


「うわ、抱きついてくんなよ!!きめーやつだな」







俺は俺にまで害が及ばないように、すっと二人から距離を置いた。なにが悲しくて男と抱擁を交わすんだ。







「あれ?みなみは?」


「女教師と面談中」


「さっすがはるか!なっちゃん先生のことに人一倍詳しいな」  


「ちげーよ。上田も知ってることだ」









こいつら女教師のことで俺をいじりすぎ。