そして、斉藤はるかは私を抱き締めた。 「あんたを好きな俺の気持ちを考えろよ」 頭上から降ってくる斉藤はるかの声はだんだんと優しくなっていく。 「頼むから・・・・」 声に甘さを帯びながら・・・・ 「マジで焦った、」 斉藤はるかは私を抱き締めるのを止めて、弱々しくその場にしゃがみこんだ。そして、私の片手に手を伸ばして握った。 「おい、けがは?」 「ない」 「ん、よかった」