私の携帯があのタイミングで鳴らなかったなら、あのまま私はキスをしてしまっていただろう。

今回は私があのキスを拒む時間があった。しかし、私は自分の意志でキスをされることを初めて望んで目を閉じたのだ。


頭が痛かった。私はいったい何をしているんだ。こんなこと間違っている。









私は真緒ちゃんからかかってきた電話に出ながら、斉藤はるかの家を出た。















「もしもし真緒ちゃん?」





私の聞き間違いだろうか?さっきから鼻をすする音と、嗚咽が聞こえる。









「・・・・・・・・泣いてるの?今どこ?すぐ行く」






私はすぐに真緒ちゃんがいるという公園に車で向かった。真緒ちゃんは泣いていた。まともに話が出来ないほどに。