「こんなふうに、てなづけた飼い犬に噛まれないように気を付けろよ」


「しつけが必要みたいね」


「これくらいのことで、顔を真っ赤にさせて動揺するあんたに出来る?」


「別に真っ赤じゃないし」

 






その女は自分の手の甲を頬っぺたにひたひたとあてて、頬の熱を確認した。


その時の表情は怒るというよりは、戸惑っているようだった。










「あんたさ、少し俺に気がある?」


「はぁ?」


「昨日、そんなこと言ってたけど」


「嘘・・・・」





女教師は目をまん丸くして、眉を寄せて困り顔。そんな顔されたら、本当に俺に少しでも気持ちがあるのだと期待してしまう。