「3枚目の手紙には保険をかけたの。一応、二人からすれば別れた理由はお兄ちゃんの浮気。でも、浮気が嘘だとわかればあの二人はもしかしたらやり直すかもしれない。そこでお兄ちゃんにはなつこ先生を散々振り回した負い目と、なつこ先生には真緒から反対されていた現状をつきつけた。一度壊れたものを直すには、時間と手間がかかる。今回はとくにね」
真緒はそう言って俺たち二人を交互に見て、ため息をついた。
「はぁ、真緒疲れた。もう行くね」
真緒はダルそうな顔をして、俺たち二人の間を通って体育館に戻ろうとした。
しかし、その行く手を上田に阻まれた。
「二重人格ブラコン女。俺の天使の真緒ちゃんを返せ!」
「女の本性も見抜けないようじゃ、女遊びはできないですよ、ゆうさーん♪」
そして暫くの間、上田は真緒を見下ろして真緒は上田を見上げて、二人は睨みあっていた。