「あぁ。結局ホストははめられていただけで、女教師のことを裏切ったことにはならない。二人は変わらず両思いで、元の関係に戻るだけだ」



俺がそう言うと、真緒は真顔で首を横に振った。









「真緒がなつこ先生に届けた白い手紙の存在は知ってる?」


「知ってる。一枚目と二枚目は勝手に見て、三枚目の内容は直接聞いた」


「その手紙を全部読んだなつこ先生は、真緒が犯人だって気づいてるよ。だって、8年間も真緒の字を見てるんだもん。一枚目の手紙は筆跡を変えてみたけど、三枚目は真緒の字そのものだった。ちなみに手紙に書かれた【‘幸せな私たち’から身を引いて】【‘私たちは二人’で幸せになる】これが誰と誰のことかもう分かったよね?」









あいつは、真緒が犯人だったことに気がついていた・・・?

手紙を送ってきた相手のことは、確かにあいつは言及しなかった。俺はてっきり真弓とかいう女の仕業かと思い込んでいたけど、あいつは違ったのか?


なら、なんで俺に言ってくれなかったんだよ・・・・一番、傷つくポイントじゃねーか。

8年間も一緒にいて、しかも大好きな男の妹から酷い裏切られかたをした。あいつのことだから・・・・このことをきっとホストには話せないし、ホストとの結婚に後ろ向きになってしまうだろう。