「いきなり般若が現れたからそうなっちゃったんじゃない?それか変人が来たと思ったかな?」
「これがいいと思ったんですよ・・・先輩、嫌でした?」
そういって般若のお面を外すといつもの桐島くんの顔が出てきた。
「ううん、助かった。ありがとう」
「やっと着いたと思ったらナンパ・・・びっくりしましたよ」
「フフフ、遅れてくる方が悪いね」
ニヤリと笑いながら言うと
「うっ・・・そうですね、迂闊でした」
と顔を歪めた。
「嫌いになりました?」
こら!子犬顔で寄ってくるな!!
「先輩?」
「あ、ううん・・・なんでもないよ!それと、すぐに嫌いとかに捉えないの!」
「はい・・・」
「じゃあ行こう!」と出発しようとするとツンッと引っ張られる感覚がしたため振り返ると桐島くんが袖を軽く引いていた。
「て・・・」
「ん?なに?」
「て、て・・・」
「て?」
やたら「て」を言うなーなんて思っていると
「手を繋ぎましょう・・・る、瑠璃・・・さん」


