ちょっと聞いてよ、桐島くん!



「・・・なに?いきなり」


「あははは、冷たいねー図星?」


「じゃあ俺たちと回ろうぜ」


いきなり現れて話しかけてきたと思ったら「ほらほら」と腕をつかんで連れて行こうとする男二人。



「彼氏待ってるんで結構!!ちゃんと約束してるんで」


「えー遅れてくる奴なんてダメな奴だよ?やめたほうがいいって」


「何も知らないアンタたちに何がわかんの?うざいししつこいんだけど」



めんどくさくてはっきりというと男二人は眉間にシワを寄せた。



「てめー・・・可愛いからって調子乗ってんじゃ」



茶髪の男が言いかけ、そしてそのまま止まった。もう片方の金髪男も止まっている。

何かと思い後ろを見ると般若が立っていた。
正確に言うと般若のお面をして甚平を着た人がいた。



「俺の彼女に何やってんの?」


「え・・・・」



この声・・・・。



「い、いや一人で寂しそうにしてたから声をかけただけだよ・・・なぁ?」


般若が言うと金髪が困ったように言葉を返した。そして、茶髪と目を合わせる。


「あ、あぁ」


茶髪も同じく返事を返した。



「それはそれはありがとう。じゃあ、もういいよね?」


「そ、そうだな!い、行くぞ!!」


「お、おう!」



般若の言葉に黒いオーラみたいなものを感じたのだろう。
どもり、ペコペコしながら立ち去った。



「ナンパする度胸はある癖に気弱なんだ」