「ヘイ、森田パス!」 「三浦シュート!」 「佐野そこカット!」 ここ、花の森東高等学校のグラウンドでは、サッカー部が駆け回って練習中している。 そんな光景を私、広瀬 萌南(ひろせ もなみ)はフェンス越しに眺めていた。 …いや、正確には“私も”と言うべきかもしれない。 サッカー部には、いわゆる“スタメンイレブン”、通称“スタイレ”と呼ばれるイケメン集団がいる。 サッカーができる上にイケメンだなんて、女子が放っておくわけがなくて。