「今さっきした俺の話、聞いてた?」 北野くんが真面目な顔つきで私に迫る。 「……ごめんなさい」 …完っ全に聞いてなかった。 北野くんが、はあ、と少しため息を漏らした。 「今日この後予定ない?」 北野くんの真剣な顔に思わず固まる。 「予定…ないよ」 「ちょっと今から付き合ってほしいところがある」 そう言った北野くんは私の手を掴んで歩き出した。 予想外のことで、心臓がドキッと跳ねる。