俺と陸斗は、生まれた時から一緒だった。
一緒にバカやって、一緒に育ってきた。

「雅哉ーーーーーーーびぇぇぇん」

「なに泣いてんだよ陸斗!」

「だって、バッタが!バッタがぁーーーーー」

「バッタがどうしたんだよ」

「雅哉に見せようと思って握ってたら死んじゃったーーーーーびぇぇぇん」

「そんな強く握ってたら死んじゃうに決まってんだろ!
泣いてないでお墓作ってやろうぜ!」

幼稚園の時、陸斗は泣き虫で優しかった。
小学生になってから、
負けず嫌いだったあいつは、
俺が吹っかける勝負には全力で向かってきた。

「あっちーーーーーー母ちぁーん!
スイカはー?アッキーからもらったんだろー?」

「あんた達もこっち来てお礼言いなさーい。
そして自分で切りなさーい。」

「だってよ、陸斗。ここは大根抜きで勝負しようぜ!」

「2人じゃ出来ねぇだろー。」

「母ちゃんとアッキーもいるぜ?」

「やらねぇだろ!つうか大人は重くて引っ張れねぇよ」

「けったは?」

「だから人数考えろよー!
じゃぁさ、仮面ヤイバーごっこで勝負しようぜ!!!」

「勘弁しろし、もう小5だぜ?んな事しねぇよ!」

「えー。じゃぁなにで勝負するんだよ。」

「ここはやっぱりいつもの・・・・部屋までダッシュだ!
よーいドン!!」

ダッダッダッダッダッ