朱「おはよ~!」

この春から高校二年生になる朱音は持ち前の明るさでクラスのムードメーカー。
とくに夏休みが近い今彼女のテンションのバロメーターは最高潮に達していた。

宇「はよ」

朱音と対照的にテンションの低い高身長で通った鼻筋とぱっちりした目元が印象的なこの男は朱音の幼なじみの橘宇宙。そのルックスとたまに見せる幼い表情が学校中の女子の目に止まり入学式早々噂になった。


朱「今日もテンション低いねぇ~」

宇「うっせ。お前がうるさすぎるだけだろ。」

少し冷たい感じもするが朱音に対する眼差しから本意ではないことがうかがえる。

朱「冷たいなぁ~。もうすぐ夏休みっだていうのに~」

宇「夏休みと俺の態度は関係ねぇだろ。」

朱「そーだけどさ!もっとこう、う~ん、なんかわかんない?!」

宇「わかんねぇーよ」


いつも通り二人ではしゃぎながら学校までの道のりを歩く。
もっともはしゃいでいるのは朱音だけだが。