「じゃぁ勉強しなさいよ。」
「すーぐそういうこと言う~!わかってるけど~やりたくない気持ち、ママならわかるっしょ~!?」
「はぁ......」
「ほんと姉ちゃんうるせぇ!!!早く出かけてこいよ!テレビ聞こえないんだけど!声デカすぎる!!」
「さーせん」
どうやら家に、あたしの居場所はないらしい。
─────プルルル...
『──もしもし?』
「もっ、もしもし陸?」
『切っていい?』
ダメだと分かっていても、かけてしまうあたしはドMなんでしょうか。
「へ!?ダメダメ!!切っちゃ、ダメ、ゼッタイ。」
『うるせぇな~今、帰宅途中なんだけど?』
「あっ、練習試合終わったんだ?」
『あぁ。だから帰って爆睡する予定だったんだけど~、
どっかの誰かさんが電話してきて~嫌な予感真っ只中ってとこ?』
「うっ、」
『───で、何?要件によっちゃ、この電話ぶった切るんだけど。』

