気分屋ダーリン、こっち見て!?



「あやめが会いたいって言うなんてめずらしーじゃん?

だからあんまりサッカーに集中できなかった。

その責任、取ってくれるんでしょ?」



いつの間にか陸と向かい合って座ってて。
まさかの口で勝てないほど陸が甘い。


「ほら、構ってやっから。
昨日書いてた短冊、お願い何て書いたんだっけ?」

意地わるく笑った陸は、聞きながら親指で唇をなぞる。


「…っ、知ってたの!?」

「あやめのことは俺が全部知ってるはずだけど?」

「ずるくない!?あたしだって陸のこと知りたい!」

「これから知るんでしょ?」


ポンポン頭をなでながら珍しくニコニコしてる陸。

……悔しすぎる。


だからあたしも仕返ししてやろう。

バチンっと陸の頬をあたしの手のひらで包んで。


「"サッカーバカと七夕過ごせますよーに"って書きましたけど?」


あたしも陸に負けないぐらいの甘いキスをお見舞いしてやった。


「……ふっ。叶ったじゃん?」

「サッカーバカがあんたって思うなんて、ほんとドM。」

「あやめに関わるヤツなんて、俺だけでいい。」




気分屋な君と、イベントの日だけは過ごせますよーにって書きゃよかったーなんて思ったことは、あたしとあなただけの秘密ね?






❥❥FIN