職員室の前は噂を聞きつけた生徒でかなりの混雑。


「何ですか、はしたない。教室へお帰りなさい」

副院長先生の声がする。


あまりの騒ぎに、物理のおじいちゃん先生まで出てきた。

「ほら、帰った帰った」

「えー、つまんなーい」

不満を口々に、生徒たちは各々の教室へと帰ってゆく。

「残念だったね」

「うん」

私と京香も渋々引き上げる。



「これでは先が思いやられますね。院長先生のお考えが分かりません」

副院長先生のため息交じりの声が背中から聞こえてきた。



私と京香は顔を見合わせて、

クスっと笑う。

「だってイケメンの若い先生でしょ?」

「こうなるのが嫌なら、採用しなきゃよかったのにね」