~ただ前へ~

ちょっと白けた空気が教室に流れる。

「つまんなーい」

「先生のこと知りたいよー」

「クールで惚れる」

小声が漏れてくる。


そんな声をわれ関せずと無言で黒板に数式を書き続ける。


一通り書き終えると、

「じゃぁ、前に出て解いてもらう」

座席表を見ながら生徒を指名して行く。


「問2は高橋」

情報通の梨花。

『ぺろっ』と舌を出し、みんなにウインクする。