ベンチに座ったまま何気ない会話を続けるうちに、辺りは人も減り薄暗くなってきた。



「この後どうする? 家にでも来るか?」

「ううん、やめとく。あたしはユウカじゃないしね」



いつもと同じノリでつい言ってしまったが、確かにそうだ。

俺は初対面の女の子をいきなり家に誘ってしまったのだ。



とは言えあまり初めて会った気がしないのは、見慣れた顔のせいだけじゃなくナツミの放つほんわかとした優しい空気のおかげだろう。