ナツミをベンチに座らせて自販機までひとっ走りし、缶コーヒーとオレンジジュースを買ってきた。 「……ありがと」 「礼はいいからさ、もう泣くなって。あとは押して帰るからさ」 ……沈黙。 先にそれを破ったのは、ナツミの「違うの」という消えそうな声。