「渡瀬」

「え…仲野くん?」



玄関へ向かうとそこには、さっき帰ったはずの仲野くんの姿が。



「途中まで帰り道一緒だろ?一緒に帰ろーぜ」



どうやら、私が戸締りをしている間ここで待っていてくれたらしい。




途中まで帰り道が一緒というのは本当だし、断る理由もなかった私は仲野くんと一緒に帰ることになった。






部活のことや、この前やったテストの結果、くだらない雑談を繰り返しているとあっという間に着いた別れ道。



「じゃ、また明日ね」


挨拶をして、帰ろうと踵を返した時だった。



「渡瀬!」


突然名前を呼ばれ、私の足が止まった。





振り返ると、さっきまで楽しい話をしていた時とは違って緊張してる様子の仲野くん。