流は困ったように頭をかいた



「僕の知識が確かなら、君には名前があったはずだ。

血の繋がりのあるものからつけられた名前はそう簡単に忘れられるものではないだろう。

僕は君をもう一度あの闇市場に売りに行くことはしない。
君の名前、教えてくれないか?」