「ねぇ、茉咲。返事は?」 「……翔平」 汚れないように。 溶けてなくならないように。 白衣のなかで、ずっと、募らせ続けた想い。 懐中時計が時を刻むたびに、深く強くなる想い。 だけど、直視するのは、怖くて。 いつも瞳を守ってきた。 「好きって言わないと、キスの続きはしないからな?」 無防備になってしまったあたしが、全てをさらけ出すのは、時間の問題だった。 fin