「はーちゃん!」
「あっ、ののちゃん!」
春陽がにっこにっこと砂だらけの顔で笑う。
「やっほー!」
「やっほー! ・・・・・・とんねる?」
砂場の柔らかい砂が不格好な山の形になっている。
「うん!」
「ののもやっていい?」
「えっ、いいの? はるひ、とんねるいっつもくずれちゃうの」
春陽の体温が残った生暖かい砂。砂漠のような砂場。無骨なプラスチックのシャベル、スコップ、バケツ。

全部が、私たちを包んでくれるような気がしてた。

「ののに、まかせて!」