君も知らなかった物語(仮タイトル)

もし彼女が出来たとしても

女友達に会うのは自分の自由で

制限されたくない、と言っていた彼は

あたしに会うことを彼女に隠してやって来た。


所詮はそんなものだと思っても、

心の隅に悔しさのようなものが滲む。


じゃあ、これでもうオシマイだね、

またね、と食事の後でサヨナラを告げた。


雨も降ってなくてでも晴れてはいない

そんな秋の夜に。

手を繋ぐこともキスもしないで

笑顔で手を振って別れたんだ。