乱闘が落ち着いた頃には、双方ともズタズタになっていた。

「クソガキ…」

「…後輩の仇か何か知らないけど、ガキだからってナメんな。」

「くそ…ひとりじゃ何もできないガキが調子に乗りやがって…」

樋口が口を開いた。

「確かに、僕らはひとりじゃ何もできないガキかもしれないけど、生憎ひとりじゃない。」

その言葉を聞いて、男は笑った。

「いい度胸してるなお前ら。覚えてろ。」

愉快そうに笑って立ち上がり、引き上げて行った。