翌日。 私は樋口くんのクラスに行った。 「樋口くん、昨日はありがとう。」 「僕はなにもしてない。」 「おかげで将来の夢が決まったの。」 「へえ。何?」 「学校の先生。」 「すごいね。」 「うん。ニートになりたいとかいう生徒が出てこないように、働くことの素晴らしさを伝えようと思うわ。」 「それは立派だ。進路に迷って死のうとする生徒が出ないように頑張って。」 「…」 樋口くんは目を細めた。