「ねえ、あなた名前は?」 「樋口幹生。」 「私は松村いろは。」 「そう。」 「ねえ、樋口くん、」 「何?」 「私と一緒に死んでくれる?」 そう言うと、樋口くんはあからさまに嫌そうな顔をした。 「なんで初対面の名前しか知らないやつと一緒に死ななきゃいけないの。」 「私は名前も知らない人と死ねるけど。」 「うわ。キモ。」 「ふふ。」