「あ、先輩。」

ボサボサ頭が振り返った。

「もっと堂々と胸張ってればいいんです。なんか今、本当に陰気臭くてキモいですよ。噂で一喜一憂するなんて、時間の無駄。」

「樋口、行くぞ。」

2人は帰っていった。

「浅田。」

「ん?」

「時間が解決してくれるの待つわ。」

「ん。」

「迷惑かけたらごめんな。」

「全然。」

浅田は俺の背中を叩いた。

「胸張ってろってよ。すげえ後輩だな。」

ボサボサ頭を眺めながら、思わず合掌してしまった。