みっきーとブランコに座って話していると、前からふらふらした人が歩いてきた。

パパだ。

「あーいたいた。」

そう言って私の方へ歩いてくる。

どうして。なんでここにいるの。家でお酒を飲んでいるのではないのか。

「何か用事…?」

「家のどこ探しても金が無くてな。どこにあるか知らないか?」

目が座っている。お酒が切れてしまったときの目だ。お酒を買いに行くつもりか。

不穏な空気を読み取ったのか、みっきーがブランコから降りて私の方に来た。そして私の服の裾を掴んでいる。

「ママのお金がどこにあるかは知らないよ。」

「困ったな。じゃあ、お前の小遣い貸してくれよ。俺を助けると思って。」

「…今月のお小遣い使っちゃってもうないの。」

パパからお金をせびられたら、そう答えるようにママに言われていた。