憂鬱な雨の誕生日。 でも、一瞬だけ楽しくなれる時間があった。 それは小学校で出会った友達、幹ちゃんがもたらしてくれた。 兄が死んだ翌年の誕生日、私は窓の外を眺めて落ち込む。 そんなときだった。 いきなり、頭上から何かが降ってきて、ポコポコと頭に当たった。 「痛い!何!?」 降ってきたそれは、大量の飴だった。 「雨は嫌だけど、飴が降ってきたら面白くない?」 「は?」 「誕生日おめでとう。」 「…ありがとう。」