樋口さんがみんなに声をかけ、ぽんぽん話を進めていく。みんなも、僕も、何が起きようとしているかまったく分からない。

「とりあえず今日は解散で。荒川、笛木、今日は僕、西村と帰るね。」

「え、」

「おっけー。よく分かんねえけど、明日ちょっと早めに来るわ。」

「頼んだ。」

…一体何が起きようとしているんだ。

「西村、今日親はいるか?」

「え、今日は仕事休みって言ってたからいるはずですけど…」

「ちょうどいい。お邪魔するぞ、案内しろ。」

「え、」

言われるがまま、樋口さんを家に連れていった。

「ただいま…」

「おかえり!あら、友達?珍しいわね。」

「お邪魔します。樋口です。」

「樋口くん?いらっしゃい。」

「あの、話があるので、上がりますね。」

「へ?」