どうやら始業式の後のホームルームももう終わったみたいだ。

「樋口!お前どこ行ってたんだよ!」

「もう全部終わっちゃったよ。」

2人の3年生が教室で樋口さんを待っていたようだ。

「あー、荒川、笛木、おはよう。お腹痛くてトイレ行ってた。」

「今日は式とHRだけなんだからちゃんと出とけよ。…で、その人誰?」

荒川さんという人が僕の顔を覗き込んできた。

「あー、お腹痛い仲間?」

「なんじゃそりゃ?誰くん?」

「…2年の西村です。」

「2年生?」

「そ。笛木に頼みがあるんだけど。」

「何?」

「ものすごい怖い顔できる?」

「え?…こんな感じ?」

笛木さんは戸惑いながらも樋口さんに向かってガンをつけた。

「いいね。めっちゃガラ悪い。素晴らしい。明日、朝イチで西村のクラスに行くんだけど、一緒に来てくれる?」

「いいけど、それと怖い顔って関係あるの?」

「めっちゃある。一番重要。」