はじめは何かの嫌がらせかもとすら思ったが、それはたぶん違う。学級委員をやりたくないなら、地味な私より、もっと目立つ人に入れればいい。立候補する人もいるくらいだから。

そんなことを思うと、何故私が学級委員になったのかますます分からなかった。

「上田さん、今日の委員会、一緒に行こう。」

「ああ、うん。」

男子の学級委員は、荒川くんだ。荒川くんは、ずば抜けて勉強ができるというわけではないが、しっかりしている。そして、誰とでも仲良くできる人だ。みんなを引っ張っていくこともできるし、だからといって突っ走ることもない。まとめ役には向いている。

「樋口!今日俺委員会だから、先帰っといて!」

「言われなくても帰るし。」

「まじムカつく。」

クラスの変わり者、樋口くんとも仲良くできてる。すごい。