兄貴のことを使用人の佐藤に調べてもらった。成績は優秀で、学年でも常に5位以内に入っているとか。くそ。やっぱり兄貴が父さんの会社を継げば良かったのに。

そして意外にも、友達は少ないようだ。最近までは、自分から友達を作ることを避けていたらしい。何故。

まあそんなことはどうでもいい。あの3人が学校では兄貴と共に過ごしていると分かった。だったらあの3人を、兄貴から遠ざけてやろう。

にこやかな少年は、荒川大地というらしい。人当たりがよく、敵を作らない性格。中学校教師の父親と図書館司書の母親、大学生の兄と、専門学生の姉がいる。

ガタイのいい強面の少年は、笛木哲也。見た目はああだが、どうやら誰よりも優しい性格らしい。銀行員の父親、福祉職の母親、それから弟が2人、妹も2人。

そしてボサボサ頭の少年は、樋口幹生。彼はいつも人を見下していて、空気の読めないやつみたいだ。成績はトップ。家族は、商社マンの父親、児童館で働いている母親、高校生の妹がいる。