どす黒い感情が俺を覆った。

むかつくむかつくむかつく。

なんで俺はこんなに苦労してるのに、兄貴は呑気に友達と笑ってるんだ。

家に着き、使用人に出迎えられる。

「坊ちゃん、把握されているとは思いますが、今夜はバイオリンと茶道のお稽古が入っております。」

「知ってる。…佐藤、頼みがある。」

「なんでしょうか。」

「兄貴の身辺を調べてほしい。」

「…と言いますと?」

「兄貴の学校での生活や友達関係を調べろ。」

「どうしてそのような…」

「いいから。早急に。」

「わかりました。」

「このことは他のやつには伝えるな。頼んだぞ。」

「はい。」

俺は兄貴への復讐を考えた。兄貴が俺から奪ったもの、兄貴からも奪ってやる。