部活終了後、俺は一足先に倉庫前に向かう。
辺りを見回すが、樋口はいない。どうすればいい。俺は一体どう動けばいい。
その時、森田先輩がやってきた。
「よお、荒川。相談ってなんだよ。」
先輩はやけににこやかだった。キョロキョロと樋口を探すが、どこにも見当たらない。何やってんだあいつは!
…仕方ない。
「先輩、小林いじめるの、もうやめてもらえませんか?」
「うん?」
「辛そうなあいつの顔見てると、こんなのやっぱり間違ってるって思うんですよ。俺ももう、しんどくて。もうやめたいんです、こんなこと。」
俺の気持ちを精一杯、先輩に告げた。
すると先輩は首を傾げてこう言った。
「何言ってんの?小林いじめてんのはお前らだろ?」
「…え?」
「確かに俺は、小林を無視しろって言ったけど、言っただけだぜ?実行してるのはお前らだろ?俺を悪者にするのは間違ってるよな?」
「な、」

