樋口はくそほどサッカーが下手だった。 「うあ!どこに蹴ってんの!」 「僕球技苦手なんだよ。」 樋口があさっての方向にボールを蹴るから、普通のパス練の5倍くらい動いた。 「…休憩しよう。」 「いい運動になったね。」 「うるせえ下手くそ。」 俺らはブランコに座ってしばらく揺られた。 「ホットミルクティーいる?君が引き止めたせいでぬるいミルクティーになったけど。」 「いる。」 樋口の手からペットボトルを受け取る。