キミに会いたい。【短編】

このドアを何回開けただろう。




聞きなれた音が





後ろでこだまする。







「いらっしゃいませ〜。



あ、こんにちは。」





常連になって君に覚えてもらった。





「よくきますね、最近。




この間ので気に入ってもらえました?」






注文をとろうとすると




君が話しかける。




ふっと微笑んだ顔が眩しい。







「そうですね、雰囲気が好きなんです。」





嘘…をついたわけじゃない。




雰囲気が好きなのは本当だけど




来る理由はもっと違う。





「嬉しいです!いつでもいらっしゃって




下さいね。





ご注文何になさいますか?」






会話が終わる。





きゅうっと胸が苦しい。








オーダーをとって君は





すぐスマホを取り出し





外に出て、電話をし始めた。






あー…



やっぱあれだけ可愛ければ



彼氏くらいいる。





きっとモデルみたいな人なんだ。




背が高くて、肌が少し黒くて




サーフィンとかすごく似合ってさ。





君がそいつとキスをする時も




君が背伸びをしてするんだ。




頭をポンポンされて




君は笑うんだ。






…あぁ、



ダメだ。




何も勝ってないじゃないか。




いや、待てよ、そいつ誰だ?