みんなが練習終わって帰り道や寮に戻ったあとも、とにかく走り続けた。


そんなある日、遠くに見えていた理想の自分が微笑みながら声をかけてきた。



「後悔ないように生きてる?」



バカ野郎。


後悔しかないよ。


何でこんなことになっちゃったんだろう……


誰が悪いとか言うつもりはない。


強いて言うなら弱い自分が悪い。


力足りず、弱い自分は夜の闇の中で震えるしかない。


そんな自分を見られたくないから、

いや、そんな自分に目を向けたくないから、私はとにかく走り続けた。