…………でも、こんな時間が続くのは、
たった、1ヶ月。
その間に、少しでも。
篠崎先輩との距離が、縮んだらいいな……
練習も、あっという間に終盤。
窓から見える空は、今は真っ赤に染まっている。
写真はもうたくさん撮ったから、私は普通に見学中。
今は、試合形式の練習。
私の目は、篠崎先輩にくぎづけ。
…………のは、いいんだけれど。
さっきから見てて、なんか……
なにかが、違う。
夏休み前に見た篠崎先輩と、なにかが違う。
こんなこと、私が思っちゃいけないのかもしれないけど。
なんか____________
「…………下手になったって、思った?」
すぐそばいにいた大塚先輩が、口を開いた。
___________そう。
私が感じた違和感は、
夏休み前より、篠崎先輩の動きが落ちているということ。
こんなこと思うなんて、なんて失礼なんだって思うけど。
ずっと眺めていたから、分かる。
今の篠崎先輩の動きは、
私の憧れの篠崎先輩のものじゃ、ない。
こくんと頷くと、大塚先輩は
「麻陽ちゃんにもわかっちゃうかー」
と、苦笑いした。

