放ったボールが虹を描けば





息が出来なくなるほど、


綺麗なシュート。



初めて見たときの篠崎先輩に、重なった。



ボールが地面に落ちる音で我に返る。



「せっせんぱい……!
ナイスシュートです!」



「お、おう……」



先輩はまだ、ゴールを見つめている。



その顔には、

嬉しさがにじんでいた。




「なんで、投げたんですか?」



前触れもなく、突然のシュート。



本当にびっくりした。




「自分でも、わかんない、けど……

体が勝手に動いて、

気付いたら、投げてた。」




勝手に動いた、か…………



篠崎先輩は、まだどこか上の空だ。



それだけ、嬉しいのかな。



私は、すごい場面に居合わせたのかもしれない。