少し遠くで生徒が楽しそうに話す声が聞こえる
黙ってついて来た先は、人が少ない渡り廊下
「1年の時からずっと好きだった…
俺と…付き合って下さい!」
名前も学年も知らない人
少し緊張している顔と声
まっすぐに、真剣に告白をしてくれた
こんな時、
嬉しいとか
恥ずかしいとか
そう思うのが普通なのかな
でも...
今、私に湧き出てくる感情は違う
視線を落として口にしたのは
『____ごめんなさい』
声が震える…
絞り出した言葉はたったこれだけ
「___そっか…」
小さくて 寂しそうな声で男の子は言った
ギュっと胸が 苦しくなる
『ごめんなさい…ごめんね…』
苦しい__
悲しい__
ごめんなさい...
「えっ⁉ えっ? どして?」
ぐるぐる回る様に暗い感情に飲まれていく
私は涙を流していた…
またやってしまった…
焦る彼に 違う意味でまた謝って
その場を去る
悲しいのは相手の方なのに
あんな風に泣いたら困らせるだけなのに
私は2年生の初日から女子トイレで泣いた