大切な人へ


座れる場所を見つけて
とりあえずそこで2人からの
連絡を待つことにした


井川くんはカステラを1つ食べて
あまっと言ってあとは全部くれた

『もらってばっかりで悪いってば』

そう言うと彼の表情が変わって小声で


「終業式のおわび」

『...え?』


彼は正面を見たまま少し視線をさげていた



「お前が教室に帰って来た時
泣いてたんだってすぐわかったのに
ふざけてまた泣かせて...ごめん」

井川くん...
あれからずっと気にしてくれてたの?

__いいのに。
慰めてくれようとしたんでしょ?
わかってたから嬉しかったよ


『井川くん待っててくれたんだよね?
心配してくれてありがとう

あれくらいで泣いたりして
びっくりしたでしょ?ごめんね』


「あれくらいじゃないだろ?
呼ばれた時も帰って来た時も俺と話した時も
お前...ずっと辛そうだった」

こちらを向いた彼の
真っ直ぐな瞳と目が合った


私のことを見ててくれたのは
先生だけじゃなかったんだ...

嬉しくて涙が出そうになる





『紗羅たちから連絡来ないね...
どうしたのかな』

話しをそらしてスマホを見る


「それもごめん!
元々こうなる予定だったんだよ」

『...え!?』

どういうこと?

ビックリして大きい声になっちゃった



「今日上田が渡辺に告白したいって言ってて、わざとはぐれた。駅から歩いてるときにそう渡辺に言って、俺たちから離れたんだ。
だから心配しなくていい。黙ってて悪かった」

上田くんが紗羅に__
そんな事になってたんだ

でもそれなら...



『そっか。わかった。
でも井川くんはいいの?』

「なにが?」

『井川くんも紗羅が好きなんでしょ?』

「...‼ ハア⁉ゴホッ!ゴホッ!」



彼は大声をいきなり出してむせたみたい

よしよしと背中をさすってあげる