「話したこともなかったけど
いつも見かけるときは笑顔で
体育祭でも色々頑張ってて

可愛いなってずっと見てたんだ」

彼は少し照れながら話してくれた



「好きなんだ…付き合ってほしい」

ズキン…


真っ直ぐな彼の瞳に私が映ってる…

思わず目を伏せて、スカートの裾を握った手に力を込めて口を開く



『_______ありがと…でも…ごめんなさい』


2人の沈黙が苦しい…苦しい…


「うん…わかった」

うつむく私の肩をポンっとたたき
彼の声に少し顔上げた

______っ


無理したように笑う彼の瞳は少し揺れていた



ズキン……ズキン……



_______ポタッ


揺れる瞳から先に溢れさせたのは

また私だった……



「…藍野さん?どしたの…」

『ごめん!ごめんねっ__』


私は彼を置いてその場を離れた


着いたのはまたあの女子トイレ

何も成長できない自分にまた涙が溢れる



私はそこでわんわん泣いた

誰か来たってもういい…

苦しさと悲しさでどうしようもなかった