大切な人へ


「ほら...また冷たくなってる」

お腹あたりを抱きしめられたまま
ドライヤーをかけるけどタオルが落ちそうだよ...


髪が乾いてドライヤーを消した瞬間
ぐるっと体を彼の方に向けられた


..... 。


何も言わないままタオル一枚の私を見て
ぎゅっと抱きしめて2人に毛布をかけ横になった


「冷たい...寒かったでしょ?
こんな雨降ってるのに」

そう言った彼の声が少し寂しそうだった...

抱きしめてくれてる腕は動かず触る感じじゃない




「美優...」 なに?小さな声...

「どうしてうそつくの?」 ...え?


「転んだだけで制服ダメになるくらい濡れる?
それをどうして井川がクリーニングに出すんだよ

井川の家で着替えて服までかりて
あの時間まで...何してたの?」

言葉が足りなすぎた自分の伝えたことは
確かに変な話だ...

『髪も濡れちゃってドライヤーかりたの
寒いだろうからってコーヒーご馳走になった』

「......転んだだけで髪まで全身濡れた?
擦り傷みたいなケガもないくらいなのに」



...だから服も着させてくれなかったの?

やっぱり私は嘘がへたみたい


井川くんには悪いけど全部話そう。今日のこと


寂しそうな彼を抱きしめて

『ごめんね?本当のこと全部話すから...
嘘つかないからそんな顔しないで?』