大切な人へ


『あの...うそって何?』

食事を終えて片付けてまた部屋に戻ってきた

「いっぱいありすぎて 笑」

私にも心当たりがありすぎて...分からない



「...先週休んだのって 本当に風邪?」

ドクン...

その質問にすぐ答えられなくて
目が合ったまま固まってしまった


先に視線をそらしたのは井川くんで
そのまま話し出す


「前田って奴、1年の時野球部だったんだ」

__?

「先週の木曜にそいつとその友達の山下が
退学になったって聞いた...」




うわ...やっぱり…

2番目に知られたくなかった事だ



「普段から万引きとか喧嘩とかあったけど
決め手は女を暴行したからって...教室で」

下をむいてぎゅっと握る手に力が入る

「女を?って...野球部で話題になった
そしたら...その次の日からお前が2日も休んだ」

「今日帰り際、声震えてた。
制服も新品だっただろ?あとケガって...」


もう言わないで...




「...そうなのか?」



違うって言わなきゃいけないのに__





震える唇から出てきた言葉は

『言わないで...お願い 誰にも言わないで』

涙がポタポタと彼の体操服を濡らす





「はぁーーーー」  バンッ!!

彼の大きなため息と机をたたく音...