いつもの場所

「もしかして毎回ここでするの?」



「う、うん。ここでしか…したことないかな…」



絵里はモジモジと答えた。しかし他の3人の反応には思いもよらなかった。



「絵里…知らないかもしれないからハッキリ言うけど…怒らないでね。あくまで想定ね。」



ネムの言葉に絵里はつばを飲み込む音で「うん」とうなずいた。



「要するにここは…一晩だけの関係だったり、飲み会でお持ち帰りされたり、たまにはいきなりムラムラしたカップルがホテルも空いてなくて来る人も居るだろうけど…ん~なんていうんだろ…」



言いにくそうなネムに凛々子が助け船を出した。



「要するに本命の人をつれてくる場所じゃないのね。」



車内はシーンと静まり返った。



「確かに…大切な人ならこんなところばかりでしないかもね。狭くて窮屈だし、ホテル代ケチられたって感じちゃうな、私なら…。やっぱ、あんな男熨斗つけてかおりって女に送っちゃいなよ。」



朱美の言葉に絵里はうつむいた。3人は絵里が相当落ち込んだと思って、ネムは絵里の背中をさすった。きっと絵里は「裕也は、場所はここでも優しい」だの「大切にしてくれてる」だの裕也を庇うだろうと思っていたが、絵里はじっと耐えるように苦笑いした。そして、絞り出すようにこう言った。



「分かってるよ。」