それで、正午頃から今まで待たされた理由だけど……今度は何をやらかしたんだ?」
「そうやって、人がすぐに何かやらかすような口調で言わないでくれる? 今日はまだ、大皿五枚とコップを四つ割っちゃっただけなんだから」
憮然とした表情で訴える少女の言葉にますます呆れながら、
「それで何もやらかさないって言うのかよ。でも、ま、そんくらいなら今日は割かし被害は少ないな」
「でしょ? なのに母さんったらすんごい怒っちゃって。家の隅々まで掃除しないと出させません!! って。しかもなかなか合格出してくれないし。だから、なかなか出られなくて。……ごめんね」
しゅん、と顔を背けるリアに、ライは目を丸くした。
「リアでもしおらしいところは残っていたんだな」
途端、リアの表情が一変した。
「もうっ、一応残ってるんです。人がさすがに悪いと思って謝ってるっていうのに」
ははは、と笑いながらライはいたずらっぽく言った。
「そうそう、そのほうがリアらしい。淑女なんて柄じゃないしな」
悔しそうに睨み付けるリアがおかしくて笑っていたライだが、急に笑うのをやめて立ち上がった。
「もう、日が暮れそうだな。帰るか」
こちらも気になっていたようで、睨み付けるのをやめ、頷いた。
「そうだね。帰ろっか」
そう言って肩までの金髪を揺らしながら立ち上がった。
そうして、青年と少女は黄金色に輝く空を背に村への道を歩いていった。
「そうやって、人がすぐに何かやらかすような口調で言わないでくれる? 今日はまだ、大皿五枚とコップを四つ割っちゃっただけなんだから」
憮然とした表情で訴える少女の言葉にますます呆れながら、
「それで何もやらかさないって言うのかよ。でも、ま、そんくらいなら今日は割かし被害は少ないな」
「でしょ? なのに母さんったらすんごい怒っちゃって。家の隅々まで掃除しないと出させません!! って。しかもなかなか合格出してくれないし。だから、なかなか出られなくて。……ごめんね」
しゅん、と顔を背けるリアに、ライは目を丸くした。
「リアでもしおらしいところは残っていたんだな」
途端、リアの表情が一変した。
「もうっ、一応残ってるんです。人がさすがに悪いと思って謝ってるっていうのに」
ははは、と笑いながらライはいたずらっぽく言った。
「そうそう、そのほうがリアらしい。淑女なんて柄じゃないしな」
悔しそうに睨み付けるリアがおかしくて笑っていたライだが、急に笑うのをやめて立ち上がった。
「もう、日が暮れそうだな。帰るか」
こちらも気になっていたようで、睨み付けるのをやめ、頷いた。
「そうだね。帰ろっか」
そう言って肩までの金髪を揺らしながら立ち上がった。
そうして、青年と少女は黄金色に輝く空を背に村への道を歩いていった。
