僕は今日の仕事を終え車で家へ帰っていた。
名前は明本暁光という。
仕事というのはレストランのウェイターのことだ。
いつもながら辺り一面薄暗く、幽霊でも出るんじゃないかと思っていた。こんな時間、つまりは夜中の2時に誰も通るはずもない一時停止のところで一端止まるとあるものが見えた。
それは、影だった。
誰もいないというのに、ハッキリと女性の影が壁に映っているのだ。
(そんなバカな)と僕は独り言を言うと、無視をして家に帰った。
部屋に入り、怖い思いを晴らすかのように恋人の闇子にTELしてみた。今日は一緒の上がりなので、まだ眠っている訳はない。
[はい、もしもし暁ちゃん]
[僕だけど、ちょい話しをしてもいい?]
[別にいいけど、何かしら]
[実は、家に帰っている途中、変なものを見てね。ビックリしたよ]
[変なものって何?]
[何もないところに女性の影が壁に映っていたんだ]
[ちょい怖いわね。でも私には判らなくはないわ]
[どうゆう事だい?]
と言うと、闇子はとんでもないことを言った。
[影の空間での在り方。というのは知っている?]
[どういう意味?]
[そういう本を昔に見ただけなの。不思議な事ばかり記してあったわ]
[例えば、どんな事が書いてあったの?]
[今回は影の現象についてだから、その事を簡単に言うわね。実は影そのものも生きているのよ]
[何だって?そんなバカな]
[暁ちゃんも見たのなら立証は成されてるんじゃない?]
[なるほど、その本は今ももっているの?]
[埃をかぶっているわよ]
[明日、見せてよ]
[いいわよ、じゃ明日の12時に]
[わかった。おやすみ]
と言って電話を切った。そして僕は寝た。

to be continued.