そして、零君は自分の制服のポケットからハンカチを取り出して、
私に渡した。
「これで…拭いて下さい。
あなたが泣くのは……見たくありません」
「零君……」
私は、零君からハンカチを受け取った。
優しい…。
いつもは、意地悪なくせに。
私が泣いたら優しくしてくれるなんて。
零君って、やっぱりよく分からない。
「ありがとう。
洗って返すね」
「その必要はありません」
零君は、私からやや強引にハンカチを奪った。
「女の子に洗わせるなんて、
僕のポリシーに反します」
「何よポリシーって」
私はおかしくなって笑った。
零君は、急に赤面する。
「な、何かおかしいですか?」
「だって、零君……。
真剣な顔してポリシーとか言うんだもん」
「バカにされてる気がして、腹立ちますが
高木さんが泣き止んだから、良しとしましょう」
あ……
本当だ。
いつの間にか、涙は止まってる。
零君が、優しくしてくれたから…かな。
「高木さん……」
「何?」
「海兄さんの事…
どう思ってますか?」
ドキッとする。
海君の告白が、あれからずっと頭の中を巡ってる。
「海君の事は……
まだ全然知らなくて、なのにいきなり告白したり……き、キスしてきたり。
よく分からない…」
「嫌い…ですか?」
「まさか。
嫌いになったりしないよ。
もっと…知りたいと思うだけ」
零君に、笑ってみせる。
でも、零君はどこか悲しい顔だ。
