お金か愛か~16歳男子の決断~

数分後、智柚が戻ってきた。


「惟智がこっちに向かってるって。」


「惟智が?」


なんで…?


「うん。歩莉に話があるんやて。」


話…


なんやろ…


「歩莉、素直になるんやで?誰でも不安なこととかあったら何でも怖いけど…それを越えたらすっきりするから…」



うん。


惟智の気持ちがどうだろうと、うちは気持ちを言う。


どんな結果になるかはわからへん。


智柚はあぁ言ってたけど…惟智の口から聞きたい。


智柚は信用してるけど、惟智の本当の気持ちは惟智だけが知ってるから…。


「あっ、来たで!」


智柚の言葉にうちは大きく反応した。


ドキドキ…


惟智が近づいてくるにつれてはやくなっていく鼓動。


椅子に惟智が座る頃にはほんまにやばいくらいはやかった。